出来れば「患者さま」ではなく「患者さん」と呼ばせて下さい。それは単なるお客さまではないと思っているからです。
加齢、認知症、機能障害、痛み、癌、など医療が解決出来ない困難に毎日立ち向かっているのは患者さんとご家族です。その意味で患者さんは我々チームの中心です。
このチームは実に様々な事を決めなければなりません。大切な我々の進む方向も。 人生の仕上げに向かってどこでどんな日々を過ごすのか。私達は医療に関して様々最善の方法を考えます。しかし実際に選択するのは患者さんとご家族です。何をするのか、そして時に何をしないのかも。その意味ではまさに皆さんがチームのリーダーなんです。
その人だけにふさわしい在宅医療があります
人それぞれの人生がある様に、その人だけにふさわしい在宅医療があると考えます。
病状、家庭環境、人生観や死生観、などは患者さんやご家族ごと実に様々です。「穏やかな生活を少しでも長く維持したい」と在宅医療を積極的に望む患者さんもおられます。「長く病院にいたくない」ただその思いの方もいらっしゃいます。「退院後も抗がん剤や人工呼吸器を続けていく」そう決断される患者さんとご家族には頭が下がる思いです。 そして「静かに自宅で最後を、大往生を迎えたい」そう希望される方も。それもその人にふさわしい見事な人生の締めくくりに思えます。
私達は、患者さんとご家族を中心としたチームの一員として、医療の面から皆様のお考えを力の限り支えたいと思っています。